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8月10日 雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウスにて最終選考実施 |
公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団(所在地:東京都港区理事長:末吉 紀雄)は、去る8月10日、「雨煙別小学校
コカ・コーラ環境教育賞は、1994年の賞設立から20回目を数え、これまで環境ボランティア活動の助成・支援を通じた環境教育・環境保全活動の促進を目的として、国内の環境教育分野の推進に大きく貢献しています。同賞は、小中学生とその指導者を対象として、地域社会に根ざした環境教育・環境保全活動実績を顕彰する「活動表彰部門」と、高校生および大学生による環境保全・環境啓発に寄与する新しい企画を評価し、具現化のための支援をする「次世代支援部門」の二部門で実施しております。
本年度は、155団体(活動表彰部門108団体、次世代支援部門47団体)の中から選ばれた15団体(活動表彰部門10団体、次世代支援部門5団体)が8月10日の最終選考会に臨み、大賞が決定いたしました。
また、10日(土)には、北海道札幌市清田区で採水された天然水「い・ろ・は・す」を初めとする製品を製造・供給している、北海道
11日(日)の表彰式後には、この雨煙別小学校
白旗山で植樹活動を行う環境教育賞ノミネート団体 |
パネルディスカッションに参加する環境教育賞ノミネート団体 |
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パネルディスカッションには環境教育賞ノミネート団体のほか、地元住民も参加 |
■ 「活動表彰部門」大賞
白保魚湧く海保全協議会(沖縄県石垣市)
活動内容:
地先のサンゴ礁を先祖から受け継いだ財産と位置付け、地域住民が協力し、その保全と活用による村づくりを進めている。学校、地域住民、環境団体、行政が連携し、次世代を担う小中学校に対して、サンゴ礁体験、環境保全活動などの体験学習を実施。先人の知恵を受け継ぐことで、地域への誇りを醸成し、地域活性化にもつながっている。
大賞受賞団体コメント:
活動の継続性や地域とのつながり、組織的な活動が評価されたと聞き、自分たちの活動が認められたという実感がわいてうれしかったです。白保という集落で、さまざまな立場の人がひとつになり、サンゴ礁を守っていこうという取り組みを通じて、大人と子どもとの関わりや郷土愛が生まれ、活動が広がりました。今回の受賞によって、さらに自信を得ました。今後、今回受けた刺激や体験を白保の仲間や後輩に伝えていきたいと思います。
■ 「次世代支援部門」大賞
北海道札幌旭丘高等学校生物部(北海道札幌市)
活動内容:
石狩湿原の再生を目指し、トンボ相を湿地の生物多様性の指標とすることを考案し、実用可能性が認められた。今後はトンボがどのように生息範囲を拡大・分散していくかを調査し、湿原の保全や再生事業の規模の確定、植栽の設計に役立てる。また、地元の自然保護団体とともに調査地の水辺で観察会や自然体験活動を企画し、自らガイド役となって活動する。
大賞受賞団体コメント:
月に3回、朝10時から4時間かけて生態調査を行ってきましたが、トンボを追いかけていて沼に落ちるなど、大変な思いをしたので受賞できてとてもうれしいです。苦労の甲斐あって、この定量分析により、多様性の変化に関する仮説が実証できました。今後はこの活動を全国に広げたいと思います。それによって、それぞれの地域の周辺環境を知り、各地の湿地整備などに役立ててほしいと思います。
■ コカ・コーラ教育・環境財団 財団理事 小澤 紀美子(こざわ きみこ)氏
近年は応募の数も増え、質も上がってきています。今年も非常に良い実践が多くあったため、大変な接戦でした。今年は特に、ともに学びあう、マルチステークホルダーとの関係が強くなってきていると感じました。
活動表彰部門について
地域との連携がポイントになりました。対象となった取り組みは、大人から学ぶ、地域の大人とともに学ぶ、という姿勢が良かったです。今回は、地域とのつながりが見える活動が多いのが特徴でした。それはとても評価できることであり、自然、文化、地域の持続性があってこそ真にサスティナブルな取り組みと言えると考えています。
次世代支援部門について
どれも科学的根拠があり、甲乙つけがたい内容でした。そこで原点に帰り、評価基準の一つにしている「内発的な力」に結びついているか、そして実際の活動に結びつくものであるか、それも地域を巻き込みながら実践できるものであるかを検討しました。大賞を受賞した取り組みは、地域の指標として発展性がある、つまりサスティナブルであるということを評価しました。
活動表彰部門 (対象:小中学生及びその指導者) | ||
北海道栗山町立継立中学校(夕張郡) | 柏の木について、生態学的側面と六価クロム公害の還元剤としての化学的側面から学習する「柏の教育プログラム」を中心に、自然体験学習を系統的に実施。地域のアイヌ語地名およびアイヌ文化に関する学習、伊藤の澤やハサンベツ里山における植物調査や山菜文化の学習のほか、稲作体験や川体験も行っている。 | |
千葉県 | 谷津干潟ジュニアレンジャー(習志野市) | 谷津干潟自然観察センターのレンジャーとして干潟の重要性を学び、保全活動を行うほか、学びを人に伝えるための活動を実施。地域住民やセンター訪問者だけでなく、国内外の湿地にかかわる人との交流活動を通じて、自然に対する理解と興味を深めるほか、センターを活性化し、人々のつながりを醸成することにも貢献している。 |
群馬県 | 草津町立草津中学校(吾妻郡) | コマクサの群落を復元させる活動や保護活動、コマクサパトロールを通じて、自然の素晴らしさや自然保護の意味について考察。さらに、自然公園財団や森林管理署などとの協力により、多くの人が草津町の自然や環境を守ろうとしていることを知ったことで、進んでごみを拾うようになるなど、環境美化への意識が高まっている。 |
東京都 | 港区立青山小学校(港区) | 屋上を利用した里山活動を充実させるため、千葉県での無農薬有機栽培農業実習や江戸の伝統野菜の研究を行ったほか、地元シェフによる食の安全や食と環境に関する講話を受講。また、地域の方と交流し、野菜の収穫や収穫した野菜の販売、収穫した野菜を使ったシェフとの調理実習を行っている。さらに、活動の振り返りとシンポジウムも実施。 |
愛知県 | 豊田市立土橋小学校(豊田市) | 「持続可能な開発のための教育」の考え方を取り入れた環境教育を、学年ごとに展開。1年生は自然とのふれあい、2年生は学区探索、3年生は生物観察、4年生は樹木に関する学習、5年生は節水の検証、6年生は環境測定と検証を行っている。6年間の学びは、児童が保護者や地域住民、来校者、新入生にクイズや実験などを通じて伝える。 |
静岡県 | まきのはら水辺の楽校(牧之原市) | 小学1年生から高校3年生を対象に、水に関わる自然体験学習の場を提供している。山から海まで水に関する活動を実践するほか、水域植物である稲を題材に、1年間を通して土づくりから収穫までを行い、水源の保持・保護を図る。また、すべての動植物が水の恩恵を受けていることを学び、「治水」「利水」「環境」に寄与できる人材を育成している。 |
大阪府 | 学校法人 清風学園 中学生物部(大阪市) | 農業や地場産業の変遷により行われなくなってしまった“どび流し”が、ニッポンバラタナゴの保護につながることを発見し、定期的にどび流しの実施と保護池での調査を実施。地域住民から昔の様相についての情報収集を行い、“どび流し”が自然環境に与える効用を科学的に明らかにしつつ、ニッポンバナタナゴの数を増やす工夫を重ねている。 |
鳥取県 | 鳥取県東伯郡琴浦町立赤碕中学校科学部 (東伯郡) |
学校近くの日本海赤碕海岸に生息しているスナガニを環境指数生物として捉え、その生態調査を通じて、赤碕海岸の環境自然度を探るほか、環境保護につなげるための取り組みを行っている。また、日本海赤碕海岸に流れ込む勝田川の魚道を通した生態調査も実施し、地域一帯の自然度を探っている。 |
熊本県 | 阿蘇市立坂梨小学校(阿蘇市) | 「ふるさとを知り、ふるさとに学び、ふるさとを感じ、個性豊かに生きる子どもの育成」という目標のもと、地域の協力を得ながら、阿蘇の大自然に直に触れる「草原環境学習」を実施。阿蘇の草原が危機的な状況にある問題を直視し、野焼き体験や野草園、あか牛とのふれあい、宿泊学習など、草原を対象とした体験学習に取り組んでいる。 |
次世代支援部門 (対象:高校生・大学生) | ||
栃木県 | 栃木農業高等学校 麻の郷活性化班 (栃木市) |
集落の高齢化、後継者不足、過疎化に伴う、山林の荒地化や野生動物による被害といった問題に対し、山村の河川保護活動、麻の機能性を生かしたエコ素材製品の開発、くず麻を使用した日本古来の土壁の復活、麻縄の機能を活かした野生動物対策、農村の景観作りによる支援を実施。そのほか、エコ資源開発にも取り組んでいる。 |
静岡県 | 静岡県立富岳館高等学校 キノコ研究班 (富士宮市) |
「大沢崩れ」によって森林が破壊される富士山の緑化をめざし、苗の活着が悪い土地でも樹木の生育率を高める新植物成長調整物質「AHX(アザヒポキサンチン)」を天然のキノコ土壌から抽出。地元産業である製紙業の廃材と混合し、リサイクル土壌改良資材「AHXチップ」を製作している。今後は、東日本大震災で被害を受けた水田などでチップを活用していく。 |
岐阜県 | 岐阜県立加茂農林高等学校 林業工学科 環境班(美濃加茂市) |
地域に多く存在する休耕田を地元の果樹農家に貸し出し、同時にミツバチ群を無償で譲渡することで養蜂を指導。高校生が地元の小学生に出前授業を行い、用法を教えるなど、環境教育に活用している。休耕田を活用した植物の栽培や生態系調査により、地域の里山を大切に思う心を育て、さらに全国の里山管理に悩む地域のヒントになることを目指す。 |
沖縄県 | 美らくいな(国立沖縄工業高等専門学校) (名護市) |
絶滅危惧種である沖縄本島の固有種、ヤンバルクイナの生態調査のため、生息域にICレコーダーを設置。NPO法人や大学教員と連携し、音環境とヤンバルクイナ生息域との因果関係に関する調査研究を行った結果、音環境の重要性が再認識された。今後は多様性生物保護に根ざした環境教育や、地域社会と密に連携した保護対策を行っていく。 |
名称 | 第20回コカ・コーラ環境教育賞 |
主催 | 公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団 |
部門 | <活動表彰部門> 小中学生とその指導者を対象として環境教育・環境保全活動の実績を顕彰 |
<次世代支援部門> 高校生および大学生による環境保全・環境啓発に寄与する新しい企画を評価、支援 |
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支援内容 | <活動表彰部門> 大賞(1組) 活動助成金50万円 優秀賞(9組) 10万円 |
<次世代支援部門> 大賞(1組) 企画支援金100万円 優秀賞(4組) 30万円 |
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