ホーム > ニュースリリース
活動表彰部門 |
|
次世代支援部門 |
|
公益財団法人
本年度は、96団体(活動表彰部門:59団体、次世代支援部門:37団体)の中から選ばれた小学生から高専生までの15団体(活動表彰部門:10団体、次世代支援部門:5団体)が8月8日の最終選考会に臨み、各団体が手掛ける環境活動の実績や成果、今後の企画を発表しました。
最終選考会ではプレゼンテーションだけでなく、事前に各団体が作成し会場内に掲出された壁新聞を、受賞団体を含む全ての来場者が審査しました。その投票結果と合わせ、選考委員が厳正な審査をおこなった結果、「北九州市立すがお小学校(福岡県北九州市)」(活動表彰部門)と、「国立米子工業高等専門学校 B&C研究同好会(鳥取県米子市)」(次世代支援部門)が、それぞれ最優秀賞を受賞いたしました。
8月7日から9日にわたりおこなわれた今回のプログラム(
「雨煙別小学校 |
ハサンベツでの水生生物調査 |
壁新聞を使った自己紹介 |
大学生と地元高校生による英語環境プログラム |
■ 「活動表彰部門」最優秀賞 1校
北九州市立すがお小学校(福岡県北九州市)
活動内容:
紫川をふるさとの川として大切に守り、未来へとつなげる意欲と行動力を高めることを目的として、清掃活動、いかだ遊び集会、水生昆虫採集による水質指標判定、昔の様子の聞き取り調査、川の浄化につながる竹炭づくりといった活動を実施。環境保全新聞の作成などで地域への発信などにも取り組んでいる。この活動は
最優秀賞受賞団体コメント:
「今回は他にもプレゼンをしたい人がいた中で、その中から僕たちが選ばれました。こうやって最優秀賞をとれて、僕たちが選ばれた意味がちゃんとあってよかったと思いました。」
■ 「次世代支援部門」最優秀賞 1校
国立米子工業高等専門学校 B&C研究同好会(鳥取県米子市)
活動内容:
廃棄される卵殻の卵殻膜が持つ、中身を常温で長期腐る事なく保護する機能の有効利用を目指し、リサイクル法の提案を行うと共に、新しいエネルギー材料として役立てる研究を推進している。卵殻膜が、燃料電池の個体電解質膜へ応用すると起電する事を発見しており、基礎的なメカニズムについて解明してきた。マスコミ、表彰、研究発表会のみならず、今後は、実用化に向けた性能改善を試み、海外での学会発表も目指している。
最優秀賞受賞団体コメント:
「私たちの研究対象は卵の殻の内側にある膜ということで、みなさんの身近なものだと思うので、そういったものの活用についてもっと考えてもらえるように、今後も活動を続けていきたいと思います。」
■ 東京学芸大学名誉教授
「今回のみなさんの取り組みは非常に素晴らしいものでしたが、キーワード的には、ひとつは循環性と いうものがあったと思います。水をテーマにしても、山、川、海との繋がりの中で考えています。それから 次世代支援部門の最優秀賞をとった『卵の殻』にしても、廃棄物になっていたものを活用して、ゴミをゼロにしていく、資源を循環させていくという考え方があると思います。そして私たちは人間だけではなく、様々な生き物によっても生かされているということを、カエルなどを対象にしながら学び、そこから色々な繋がりを見つけていくという、生き物との共生・共存社会を考えている取り組みも非常に素晴らしかったと思います。そういった取り組みのなかで、地に足をつけた素晴らしい活動を通して、環境の課題をしっかり考えて頂いていたと思います。」
活動表彰部門 (対象:小中学生及びその指導者)9団体 | ||
西岡ヤンマ団(札幌市) | 自然の豊かさの指標となるトンボを介した環境教育を目的とし、最多種のトンボが生息する西岡公園(札幌市)において、定点観測的にその生態・発生状況や形態変異、トンボと環境の関係を調査している。公園事務所・北海道トンボ研究会・大学院生による組織的な指導のもとで小学生が主体的に 研究し、成果は報告会・展示を通して地域に還元している。 | |
青森県 | 八戸市立種差小学校(八戸市) | 「種差の自然と人とのつながり」をテーマに持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)の視点を取り入れた環境教育を展開している。自然保護官の環境教育、自然散策、日本タンポポ探しやホッキガイの生態、種差の昆虫調べ、「オオハンゴンソウ」の駆除活動、海岸清掃など、環境学習やちびっこボランティアガイド、種差らしいお菓子作りを行い、学校と地域との横の軸を大切にした活動を行っている。 |
秋田県 | 草木谷を守る会(潟上市) | 里山の役割、下流の八郎湖の環境などを学んでもらうことを目的とした「田んぼの学校」の活動を地元の大豊小学校と共に行っている。この活動は、有機農法で環境に配慮した稲作を昔ながらの手作業で行うことにより、自然の大切さに気付き尊重する心を育むことにもつながる。今後はこの活動に加え草木谷周辺にある空き家となった古民家を活用した取り組みも考えている。 |
埼玉県 | 校地内にある手づくりビオトープや学校ファームを積極的・意図的に活用し、学校に居ながらにして四季折々の自然の変遷や動植物の成長の様子を日常体験でき、1年間を通して観察し、自然を愛する心豊かな児童を育成する。個々様々な自然の価値を活かし、ねらいを明確にして教材化し、各学年児童の発達階段に応じた学習活動として教育課程に位置付けて授業を実施している。 | |
静岡県 | 食農体験クラブ風の子(藤枝市) | 子供たちの体験活動向上の取り組みとして食農体験活動を通して、里山を大切に守り、恵みを調理加工し食育体験などをしながら、地域活動に活かしている。また、東日本大震災の被災地支援と防災意識教育向上の為に被災地訪問・語りべ活動などで交流・活動もしている。今後も被災地交流も継続しつつ、地域の人達から学ぶ伝承文化や、食文化を農業体験の中から学ぶといった体験活動の向上を目指す。 |
富山県 | 射水市立小杉小学校(射水市) | 「川の森づくり委員会」では富山湾と上流山間部をつなぐ中流域に位置している学校の地の利を生かして、地域の水草の栽培、淡水魚の飼育、生息状況の調査等の「川の森づくり学習」に取り組んでいる。さらにその活動による学習成果を学校の内外に発信したり、地域に活動を広げたりするなど、水環境保全、普及・啓発活動を行っている。 |
岡山県 | おかやま大野 ダルマガエル保全プロジェクト (岡山市) |
校区に生息している絶滅危惧種ナゴヤダルマガエルの保全を目的とし、水田の開発に伴う保護移動保全水田の管理、移動後の定着状況や生息環境を調査している。また、地域で保全する仕組みを作るため、地元小学校の総合学習の講師、小学校イベントへの参加、地域イベントの主催、ブランド米作成などを行っている。今後はこのブランド米を販売促進することで大野学区に水田を残す経済的な意義も見いだせるような取り組みの実施を目指す。 |
岡山県 | 岡山市立小串小学校 里海を守る会 (岡山市) |
地域の人と活動したり、地域の恵みを味わったりすることを通じて、地域の人とのつながり、環境の豊かさを知り、環境を守る活動を実施している。主な活動として、海や海岸をきれいにする活動や、稚魚のすみかとなるアマモを海に増やす「アマモ再生学習」がある。今後は活動成果を校内だけでなく地域に発信する方法などを考え、表現力・思考力の育成につながるような取り組みも予定。 |
沖縄県 | 名護市立小中一貫教育校 緑風学園 |
「ふるさとの豊かな自然」に触れ、そこに生きる生物と生態系について学び、自然環境の保護と保全の意欲を養う。自然から学び環境について考えることで、ふるさとの自然と自分との関わりを意識し、ふるさとでの自分の生き方を考える活動を継続的に行っている。活動を行う際には、地域の漁協関係者や地域コーディネーターの方の協力を得る等、地域の協力を最大限に活用し、地域と共に子供たちを育てていけるよう工夫している。 |
次世代支援部門 (対象:高校生・高専生・大学生)4団体 | ||
神奈川県立中央農業高等学校 畜産科学科(課題研究) (海老名市) |
環境にやさしく、安心安全で地域の方から愛されるお米をキーワードに、無農薬・無化学肥料栽培を実施。もみを熱湯消毒し、アイガモを放鳥し、除草・防虫・1年間発酵させた完熟推肥で行うアイガモ農法を行ってきた。また同時に、畜産公害の問題対処にも取り組んでいる。これらの活動を通して、地域の子供たちに地域環境や命の大切さについて伝える取り組み、環境保全型農業について考える機会になるよう、継続した活動を目指す。 | |
岐阜県 | 岐阜県立加茂農林高等学校 森林科学科(美濃加茂市) |
2011年度から、耕作放棄されている休耕田の有効な活用方法の模索に取りかかり、ドジョウ養殖や里山で減少している生き物たちを復活させる研究を行っている。2013年度からは地元の農業生産法人と共同でヤギによる里山除草実験を開始。冬場のエサの確保・費用に課題があったが、耕作放棄地を活用して持続可能な農作物の生産を行いつつ、その残渣をエサとして活用するという解決方法を思いつき、2014年度から地域の方達と連携して国産「ポップコーン」の栽培を開始。そして5社の大手ポップコーン販売会社へ営業をし、その中の「オリーブポップコーン」と契約。ポップコーン栽培で発生する栄養価の高い葉や茎などは冬場のヤギ用のエサとして活用し、持続可能な里山 管理方法を目指している。また、ドジョウ養殖の経験を活かしホンモロコの養殖も同時に行っていく。 |
広島県 | 広島県立庄原実業高等学校 食品化学研究部(庄原市) |
虫除け成分のピレトリンは温血動物には作用せず、これまで人間にも無害で、天然物、環境にも非常に優しい物質であると考えられ、研究対象としてきた。この研究は(独)科学技術振興機構のサイエンス・パートナーシップ・プログラム事業に採用され、近畿大学工学部の協力で行ってきた。本プロジェクトでは休耕田を利用して多年草の除虫菊を植え、花による景観美化を図り、花の時期が過ぎると、虫よけ成分を含む花を摘み取り、生活等に利用する事を推進する。 |
沖縄県 | 沖縄県立沖縄工業高等学校 科学部環境分析班(那覇市) |
シュレッダー裁断紙を使用して、食材資源とバッティングしないエネルギー精製の研究の為に、トウモロコシなどの食材を用いず、セルロース系バイオマスを使用して技術開発を行っており、シュレッダー裁断紙からバイオエタノールを精製し、ガソリンを混合した実用的な燃料製造を目指している。実験のプロセスについて発表を行い、発表を通して、地域の小・中学生徒へ地球の食糧や燃料などの地球の資源や地球温暖化、持続可能な社会構築、3R(Reduce:リデュース、Reuse:リユース、Recycle:リサイクル)推進などの環境啓発教育のプログラムとして展開を目指す。 |
名称 | 第22回 |
主催 | 公益財団法人 |
協力 | 読売新聞社、雨煙別小学校 |
後援 | 文部科学省、環境省 |
部門 | <活動表彰部門> 小中学生とその指導者を対象として環境教育・環境保全活動の実績を顕彰 |
<次世代支援部門> 高校生、高専生、大学生による環境保全・環境啓発に寄与する新しい企画を評価、支援 |
|
支援内容 | <活動表彰部門> 最優秀賞(1組) 活動助成金30万円 優秀賞(9組) 10万円 |
<次世代支援部門> 最優秀賞(1組) 企画支援金50万円 優秀賞(4組) 30万円 |
|