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環境ボランティア活動の助成・支援を通じた環境教育・環境保全活動の促進を目的とした
本年度は、応募総数87団体(活動表彰部門:52団体、次世代支援部門:35団体)の中から選ばれた小学生から大学生までの15団体(活動表彰部門:10団体、次世代支援部門:5団体)が8月6日の最終選考会に臨み、各団体が手掛ける環境活動の実績や成果、企画を発表しました。
最終選考はプレゼンテーションだけでなく、事前に各団体が作成し会場内に掲出された壁新聞を、受賞団体を含む全ての来場者が審査し行われました。その投票結果と合わせて選考委員が厳正な審査を行った結果、「舟橋村立 舟橋小学校(富山県中新川郡)」(活動表彰部門)と、「宮城県農業高等学校 科学部 復興プロジェクトチーム(宮城県名取市)」(次世代支援部門)が、それぞれ最優秀賞に選ばれました。
活動表彰部門 最優秀賞
舟橋村立舟橋小学校(富山県中新川郡)
次世代支援部門 最優秀賞
宮城県農業高等学校科学部復興プロジェクトチーム
(宮城県名取市)
8月5日から7日にわたり行われた今回のプログラム(
「雨煙別小学校
ハサンベツでの水生生物調査
表彰式後の全体写真
大学生による表彰式司会進行
【第23回
■ | 「活動表彰部門」最優秀賞 舟橋村立 舟橋小学校(富山県中新川郡) |
活動内容: 日本一面積が小さい村だが他地域に誇れる自然豊かな村にするため、自分たちが絶滅危惧種トミヨを発見した竹鼻用水での清掃活動や水草を増やす活動などを行っている。今年度からはホタルが生息できる環境を整える。 活動実績: [1]校区を流れる用水・川での生き物調査を行い、竹鼻用水で絶滅危惧種のトミヨを発見した。 [2]竹鼻用水の環境保全活動。 [3]竹鼻用水と隣接する水公園の美化活動を行い、どぶ川と言われていた用水にカワセミが来るほどの成果をあげた。本活動が地域住民にも広がっている。 | |
受賞団体コメント: 「これを機会に村の人々がより自然や自分たちの活動に触れ合ってもらえるようになって欲しいです。」 |
■ | 「次世代支援部門」最優秀賞 宮城県農業高等学校 科学部 復興プロジェクトチーム(宮城県名取市) |
活動内容: 津波による震災被害を受けた学校の桜を後世に残すため、保存プロジェクトをたちあげ、新校舎への植樹を目指し活動を行っている。今回のプロジェクト名は、「バラで被災地を変える〜目指すはスーパー植物と食物連鎖を利用した環境修復型農業〜」。自然の緑が震災前の一割にまで減少した影響で生態系は偏り、土壌状態は著しく悪く、作物も育たなかった状況下で、桜の育成に成功。その経験を活かして、塩害に強く、虫のつきやすいところを利用したバラに目をつけ、中国から伝わったツーリー(刺梨)の栽培の研究を進めている。現在、試験地4箇所で、バラ特有の食物連鎖が誕生したことを確認しているほか、各家庭に土の分析・診断を元に植え方をアドバイスしたり、ジャム試食会を行ったりしている。さらに、果実に豊富に含まれるビタミンCとポリフェノールの抽出に成功し商品化を目指している。 | |
受賞団体コメント: 「少ない人数で頑張ってきたので、病気の部員や支えてくれた地域の方々に喜んでいただけると嬉しいです。受賞を励みに今後も頑張っていきたいです。」 |
【第23回
■ | 東京学芸大学名誉教授 |
「今回の最終選考ノミネート団体の活動やプレゼンテーションにはキラリと光るものや共感できるものが多く、非常に難しく、また楽しい選考となりました。活動表彰部門では、地域との協力や実際の成果、さらに拡げる努力などが評価のポイントとなりました。小さな地域の大きな取り組みとして今後も頑張っていただきたいと思います。次世代支援部門では、多くの疑問を持ち仮説を立て、被災した当事者として復興を進めている宮城県農業高等学校科学部が受賞となりました。科学的な根拠に基づいており、多くの実験を行い実証できていたことを高く評価いたしました。 今回は両部門ともに多くの応募をいただき、また実際に学校で取り組んでいる活動もとても輝いて見えました。それぞれの活動は主体的かつ独創的なもので、まさに未来につながる人材が確実に育っていると感じました。1994年から選考委員をしてきて感じるのは、環境教育の取り組みが変換してきているということです。活動表彰部門、次世代支援部門ともに地域の課題に取り組んでいただいており、それぞれが持続可能な地域づくりに対応されているのだと思います。私を含め選考委員は、日本の未来は明るいと、参加者のみなさんのパワーをいただきつつ感じています。21世紀は環境の世紀として、自然への素直な態度とともに、みなさんの取り組みを一歩一歩芽から茎へ、花を咲かせ葉をつけ大きくしていただくことが、大きな希望につながります。受賞を励みに、今後も継続して活動を行っていただくことを期待しています。」 |
【第23回
活動表彰部門 (対象:小中学生及びその指導者) 9団体 | ||
北海道 | 西岡さかな組(札幌市) |
活動内容:多様な水環境を有する西岡公園において、魚類・両生類・湿生植物など水辺の生物全般を調査し、環境保全に還元することを目的として活動している。 活動実績:さかな組を含む西岡公園での調査活動を支援する保護者らのボランティアを設立し、共に活動を行う。カメや魚が捨てられていることへの注意看板の設置及びメディアでのPR、豊平川さけ科学館や円山動物園での調査報告展・報告会開催、札幌駅地下広場に出展し魚の水槽展示や外来種についてのクイズ等の普及啓発活動など。 |
宮城県 | 特定非営利活動法人 エコパル化女沼(大崎市) |
活動内容:化女沼の環境調査・保全を行うとともに、毎月親子対象の「里地里山探検隊」を募集し、山菜・野草狩りや外来魚撲滅作戦、渡り鳥の観察等の活動を行っている。 活動実績:四季折々の自然に触れる機会を設けている。春:山菜・野草狩り、外来魚撲滅作戦、夏:ホタル観察会、昆虫採集・標本づくり、ヒシの実・ハスの実採り、秋:キノコ・木の実採り、冬:渡り鳥のねぐら入り観察など。参加者をはじめ地域住民が化女沼の価値を再認識し、化女沼の活用を図りながら地域づくりや環境保全に積極的に取り組むようになり、ボランティアの輪が広がっている。 |
静岡県 | 今川こども自然クラブ(湖西市) |
活動内容:月1回程度、植樹・棚田の保全・森遊び・水質調査・ホタルの保護活動等の自然保護活動をしている。地道な活動により毎年2回のホタル観察会が実施できるまでに環境が改善されている。 活動実績:(1)ホタルの保護活動。生物調査・川の清掃・外来種駆除等、ホタル観賞会の開催。(2)水質・生物調査。調査の結果、希少種が多く生息する貴重な川であることが判明した。(3)きれいな川・森を守るための活動。森林の整備・植樹・棚田の田植え、間伐した樹木を使用しての道具制作。(4)自然保護活動を広げる取り組み。青少年健全育成大会等において当クラブの活動の発表を実施。 |
愛知県 | 瀬戸市立古瀬戸小学校(瀬戸市) |
活動内容:校内に造られたメダカ池の管理をする中で、地域の川にメダカを取り戻そうとの願いから活動を開始。生徒がメダカ池の管理・飼育、川の生物・水質調査、浄化装置製作、川清掃などを行い、その様子を「メダカの学校報告書」として発行して全校・地域に配布している。 活動実績:メダカ池の製作、地域の川清掃、メダカの放流、水質浄化いかだ制作・設置、水質浄化のための葦の苗移植、川の汚染度調査のための生物調査など。 |
和歌山県 | 橋本市立あやの台小学校(橋本市) |
活動内容:毎年子供たちとテーマを設定し、環境・国際理解学習を行っており、今年度のテーマは「環境マイスターになり、未来によりよい環境を残そう〜今の子どもは、未来の大人〜」。ただ学習するだけではなく社会貢献するために会社を設立し、商品作成・販売・募金を行う「エコマート」に主体的かつ共同的に取り組んでいる。生徒が栽培した無農薬野菜やリサイクル手芸品などを販売し、売り上げをユニセフ等に募金しており、昨年度より地域の人々からの協力体制を整えている。 活動実績:H25年よりエコを意識した商品開発・販売、無農薬野菜販売や募金とあわせて、活動内容と環境保全の重要性について劇にし、地域に向けて発表を行っている。新聞やラジオの取材も受け、広く発信することができるようになってきている。 |
大阪府 | 学校法人清風学園 清風中学 生物部(大阪市) |
活動内容:高安の里山保全活動及び、生息する絶滅危惧種のニッポンバラタナゴの保護活動を行っている。特に環境指標性に優れている地表性昆虫の採取・調査に力を入れている。 活動実績:ニッポンバラタナゴの保護をするにあたり、生息地の溜池だけでなく里山全体の環境を考えるため、昆虫の多様性の調査や採取を行い、現在では約300種類確認できている。中にはベニイトトンボ等、レッドブック記載の種も多々発見した。地表性昆虫を採取するためのトラップを用いて、特に田畑において毎回違った多様な種類の地表性昆虫が採取できている。今後さらに詳しく里山の環境調査を進め、製作した標本などをNPOと協力して地域の小学校などで紹介し、より多くの人に高安の環境保護意識を高めてもらいたいと考えている。 |
京都府 | 京都市立朱雀第四小学校(京都市) |
活動内容:環境教育に力を入れており、エコ改修後の校舎を活かしたエネルギー環境教育・自然の営みを中心とした環境教育・地域の清掃活動・全校栽培活動・小中連携した科学教室など様々な取り組みを続けている。 活動実績:各学年の発達段階に応じて環境教育に取り組む。育成学級:野菜の栽培・収穫・調理。1年生:一人一鉢の花栽培や動物の飼育。2年生:一人一鉢の野菜栽培、校内果樹園等の管理。3年生:校内ビオトープでのホタルが生息できる環境づくり。4年生:グリーンカーテンの制作、植物を植えた鉢の地域への配布。5年生:身近なエネルギーについての実験や資源についての学習。6年生:身近なエネルギーについての個人探求活動からエコな暮らしを校内に広げる。 |
山口県 | 山口県萩市立白水小学校(萩市) |
活動内容:白水川の水質調査を継続するとともに、ホタルの飼育観察や成虫の放流、地域の清掃活動を全校生徒で取り組み水源の保護・保全を図っている。また、環境マネジメントシステムの手法を取り入れた「もったいない運動」等に取り組んでいる。 活動実績:(1)水質調査。市と協力して30年以上続けており、児童の川の環境への関心を高めている。(2)ホタルの飼育観察活動及び普及活動。ホタル飼育・放流活動を30年継続している。取り組みの様子を学習発表会で報告しており、地域全体での保全・保護活動への機運が高まっている。(3)「やまぐちエコリーダースクール」としての活動。地域清掃活動・節水・節電、リサイクル活動などを行っている。 |
大分県 | うーたの会(大分市) |
活動内容:うーた(地名の太田の方言)の里山の再生を目指し、大分市内の中心部に位置する「まちなかの里山ビオトープ」の保全とその活動を発展させた地域づくりを行っている。 活動実績:(1)里山林の再生・保全活動。森林整備・水辺整備。(2)里山の自然を活用した環境教育の実施。ホタルの観察学習、幼虫の放流。(3)四季の自然観察会の開催。(4)大分市環境展への参加。地球温暖化防止普及啓発。(5)生物多様性保全活動(絶滅危惧種を含む多様な生物・植物の保全)(6)ブログや会報誌、全国誌への活動掲載等の情報発信。 |
次世代支援部門 (対象:高校生・高専生・大学生) 4団体 | ||
東京都 | 東京工業大学国際開発サークル バイオ炭プロジェクトチーム(目黒区) |
活動内容:ケニア農村部においてバイオ炭の生産・普及を目指すプロジェクトを実施。生産実験や社会調査、生産装置の改良をした。今後は新メンバーを中心に新たにネパール農村部でのプロジェクト実施を計画している。 プロジェクト内容:ネパールにおいては家庭で使用されている燃料のほとんどが伐採した木材であり、森林伐採の深刻化や、直接燃焼する際の煙による人々への健康被害が問題となっている。そこで、農業廃材や家畜排泄物を材料としたバイオ炭の生産技術とその持続的な普及システムを確立し、問題の解決を目指す。ターゲット消費者である村民に対して森林保全のための環境啓発と煙による健康被害を喚起し、バイオ炭に対する需要を高め、この活動を通して将来的な森林伐採規制への反発の軽減に繋げることも目的としている。 |
静岡県 | 静岡県立富岳館高等学校 農業クラブ(富士宮市) |
活動内容:富士宮市において、地域の環境調査や環境保全活動を行い、地域の環境問題への意識向上と環境技術の向上に努めている。 プロジェクト内容:東北の被災地を緑化するために、究極のエコ資材「AOHチップ」を開発した。チップは東北被災地で活用するとともに、海外に応用する予定。(1)塩・乾燥ストレス下での植物への影響を検証した。無処理区、AOH区、AHX区、ICA区で検証したところ、AOH区において最もストレスが軽減された。(2)AOHを含む媒体を製紙の廃材「炭化ペーパースラッジ」とし、AHXチップに加え、成長効果が高いAOHチップを考案。(3)宮城県鳴瀬川の堤防の方面緑化にAHXチップ、AOHチップを試験したところ、被覆率を1.3倍に高め、成長効果を確認した。 |
石川県 | 石川県立津幡高等学校 園芸部(河北郡) |
プロジェクト概要:桑の木の植樹などを通して、里地里山の原風景の再生と環境保全につなげる。啓発のために栽培キットや、養蚕体験などを行う。小中学校や町役場、JAなどと連携をはかり、地域活性化につながる活動を行う。 プロジェクト内容:耕作放棄地や遊休地に桑の木を植樹し、里地里山の原風景の再生と環境保全につなげる。養蚕体験学習キットを希望者(特に小学生)に配布し、興味関心を高めるとともに、桑のコンテナ栽培も無料で提供し、桑の木や桑の葉についての理解を深める。一方、別の視点から、養蚕に興味関心を持ってもらうために、地域の諸団体と連携し、シルク・繭・桑の実、桑の葉を用いた特産品の開発を進展させる。これらの成果を、各種イベントや大会などで活動報告し、より多くの人に向けて、積極的に普及啓発活動を行う。 |
広島県 | 広島県立西条農業高等学校 畜産科(広島市) |
活動内容:「高品質な豚肉生産」を目標に研究に取り組んでいる。放牧飼育、添加飼料について研究。高校で生産した豚を「西農ポーク」と名づけ、食育活動に取り組んでいる。これらの経験から、地域の農業分野への貢献を目指して、耕作放棄地の再生に「西農ポーク」の飼育技術を活かす方法を検討している。 プロジェクト内容:酒蔵で廃棄される酒粕と、地域の耕作放棄地を活用した豚肉生産を行う研究。耕作放棄地を豚の放牧場として活用することで、耕作放棄地を再生する手間や時間を抑え、日本の抱える食料自給率の課題解決につなげることを目的とする。(1)酒粕の有効利用(2)耕作放棄地を活用した体験型プログラム。耕作放棄地で豚を放牧し、翌年に畑として活用。豚の飼育や野菜の栽培には地域の子供たちが体験できるプログラムを計画。(3)食や命に関することへの啓発活動につながる。また生徒たちの自信につながり、育成も行える。 |
【第23回
名称 | 第23回 |
主催 | |
協力 | |
後援 | 文部科学省、環境省 |
部門 | <活動表彰部門> 小中学生とその指導者を対象として環境教育・環境保全活動の実績を顕彰 |
<次世代支援部門> 高校生、高専生および大学生による環境保全・環境啓発に寄与する新しい企画を評価、支援 |
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支援内容 | <活動表彰部門> 最優秀賞(1組) 活動助成金30万円優秀賞(9組) 10万円 |
<次世代支援部門> 最優秀賞(1組) 企画支援金50万円優秀賞(4組) 30万円 |